比較文学比較文化ハンドブック

『比較文学比較文化ハンドブック』

発行年2024年8月(290頁)
出版社東京大学出版会
著者今橋 映子・井上 健
監修・編
佐藤 光・波潟 剛・
佐々木 悠介・松枝 佳奈・
李 範根 編

比較文学という学問は19世紀フランスに生まれ、すでに130年ほど(日本でも70年余り)の歴史をもつ。ヨーロッパ諸国の国境や言語の壁を超えて、相互の影響受容関係を考究する学問として始まり、戦後特に北米においては、文学一般の批評理論を次々と切り拓くスタイルが主流となった。

日本においては戦後、学会が創設され、大学院教育も創始されて、比較文学を(その背景となる)文化研究と切り離さないことを旨とし、欧米との関連のみならず東アジアまで視野に入れた研究が盛んになっている。これだけ守備範囲が広いと、初学者には入門が容易でない。

本書は、比較文学比較文化に関する諸概念、学問史、現在の潮流、研究の未来、必須文献の紹介などを、数十名の研究者が初学者に向けて語った、世界でも例をみないハンドブックである。

同時にHP上に特設ウェブページを設け、研究者向けの項目とも連動させて、21世紀の比較文学比較文化研究の進展に寄与することを目的とする。

目次

 総説

 

第 I 部

比較研究の理論、重要概念(7部門88項目)

歴史・概念/方法/翻訳/ジャンル別比較文学/比較芸術/
比較文化/東アジアにおける比較文学比較文化

第 II 部

比較研究の読書案内——比較文学・比較芸術・比較文化を深く知るために

比較文学への道Ⅰ・Ⅱ/初めて学ぶ人の本棚/文庫・新書の本棚/
もっと読みたい人の本棚/より深く研究したい人の本棚(連携HP)

今橋映子・執筆項目

 

「総説」「比較」「間テクスト性」「普遍」「エクスプリカシオン・ド・テクスト」
「蔵書研究」「美術と建築」「比較文化」「比較文学への道」「比較文学関連学会」
「世界と日本の比較文学雑誌」「比較文学比較文化の教育現場と将来」