都市と郊外

『リーディングズ 都市と郊外——比較文化論への通路』

発行年2004年(520頁)
出版社NTT出版
著者今橋 映子編著

都市と郊外について、学際的に考えるための入り口となるリーディングズ。

ベンヤミン、ル・コルビュジエやバルト、前田愛や陣内秀信など国内外の論客たちの重要論文を抜粋し、選集として編んだ。

1970年代から日本の学問分野でも盛んになった「都市論」は、郊外へと視野を広げ、現代人の「生きる場」としての切実さとも向き合ってきた。

比較文化論としては、城壁に淵源をもつヨーロッパ大陸都市の郊外と、英米系の郊外の文化的意味が明らかに相違し、それが東京にもたらした意味もさぐる。 さらに本書では、郊外写真や漫画なども取り上げており、「クロスジャンル」としての比較文化論を学ぶことも出来るだろう。

目次

序章

都市論は今

第1章

〈都市論〉とは何か
吉見俊哉/中村雄二郎/ロラン・バルト

第2章

十九世紀パリ論の成立
ジュディス・ウェクスラー/喜安朗

第3章

都市の想像力
ヴァルター・ベンヤミン/ル・コルビュジエ

第4章

パリ郊外(バンリユー)とは何か
今橋映子/堀江敏幸

第5章

英米系郊外(サバービア)の言説
ロバート・フィッシュマン/オーギュスタン・ベルク

第6章

江戸・東京論の未来と〈郊外〉
陣内秀信/前田愛

第7章

東京郊外への視角
若林幹夫/前田愛/宮台真司

終章

郊外を考えるために——批評的書誌作成のすすめ
クロスジャンルの時代(文学・映画・ドラマ・アニメ)
郊外写真という可能性(批評的書誌・写真編)